日本一の淡路島産玉ねぎ!
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たまねぎの品種

●品種の変遷
泉州黄(イエローダンバース)を明治初期に導入

 淡路においては泉州黄を導入しました。−各地で品種選抜が加えられ、淡路中甲高の系統が分化成立するようになります。

 戦後栽培面積が増加するにつれ「淡路中甲高黄」が、各々系統間の交雑が行われ、同一系統内でも、その特徴が異なり、市場における優位性を発揮することが出来なくなりました。これを統一的に改良するため、昭和27年から32年にかけて、淡路玉葱にふさわしい草勢、球形指数、収量、貯蔵性等々を詳細に調査し改良を加え、昭和32年夏、斎藤系1号・10号として発表し、玉ぞろいよく貯蔵性の良い品種として非常に優良と評価され、淡路に急激に広がりました。

 この事柄が県において認められる事となり、斎藤系1号を淡路中甲高1号とし、斎藤系10号を淡路中甲高2号と命名し、又集団選抜によって従来から作られた阿万系を淡路中甲高3号と命名して、兵庫県の奨励品種となりました。

淡路中甲高1号−−−6月10日前後収穫・甲高・多収性、貯蔵性良好

淡路中甲高2号−−−6月上旬に収穫・甲高・多収性、貯蔵性良好

淡路中甲高3号−−−熟期やや晩い・多収性

 この3品種の出現で、労力分散がはかれ単収が多いため、面積、収量ともに大きく伸び、昭和40年半ばまで大半がこの種で占められ、県内はもちろん全国的にも広く普及しました。その後、一代雑種が次々に開発され、昭和40年代後半には順次玉揃いの良い一代雑種が主流となり現在に至っています。


淡路玉ねぎの品質特性(兵庫県立北部農業技術センターによる調査)


●淡路玉ねぎの品質特性●

1.産地別タマネギの品質特性
【材料】

  1. 調査−1(6月下旬の市場流通品)
    兵庫県淡路産3品種(ターザン、もみじ3号、さつき)
    他県産(佐賀、愛知、香川)
    外国産(中国、ニュージーランド、オーストラリア、チリ)
  2. 調査−2(10月中旬の市場流通品)
    兵庫県淡路産2品種(ターザン、もみじ3号)
    他県産(北海道)
    外国産(中国、米国)

【調査項目】

  1. 外観品質:球重、縦径、横径、縦/横比、外皮の色調(明度(L値)、赤色度(a値)、黄色度(b値))、剥皮後の色調(明度(L値)、緑色度(−a値)、黄色度(b値))
  2. 内容成分:乾物率、水分率、灰分率、糖度、糖の組織(果糖、ブドウ糖、ショ糖)、
    全糖、ショ糖/全糖、PH、滴定酸(クエン酸換算値)、ビタミンC(アスコルビン酸)
  3. ソテーでの加工適性(官能評価):外観、硬さ、甘さ、美味しさの相対比較
    ソテーの作り方:3mm厚に輪切りした試料300gをフライパンで加熱し、200gに調整しました。
    なお、調査、分析等には5〜7個/区のタマネギを用いました。

2.淡路タマネギの品質特性

  1. 6月のタマネギ
    供試した11サンプルを比較した結果、淡路産3品種は重さでは愛知県産に比べれば小さいもののその他の産地(他県産、外国産)とほぼ同程度の重さであり、球径はニュージー産、愛知県産を除く他産地産とほぼ同程度の球径でした。(図1)
    淡路産の乾物率はオーストラリア産に比べれば低いが愛知、香川、中国、チリ産よりは高かったです。淡路産(もみじ3号、さつき)は灰分(ミネラル)含量の高いグループに属していました。
    淡路産3品種は比較的還元糖含量の高いグループに属していましたが、特にターザンの還元糖含量が高かったです。ショ糖含量は国産では淡路産(もみじ3号)が最も高いのですが、オーストラリア、ニュージー産に比べれば少なかったです。全糖含量は淡路3品種が比較的高いグループに属していましたが、中でも淡路産(ターザン)の含量が高かったです。ショ糖割合(数値が高いほど貯蔵性が高いと考えられる)はオーストラリア、ニュージーランド産が高かったのですが、国産では淡路産(もみじ3号)が佐賀県産と並んで比較的高い数値でした。(図1,2)
    ソテーでの官能評価(加工適性)において、外観では淡路産(ターザン)に比べて淡路産(さつき)、愛知県産などが少し高い評価でした。硬さでは淡路産3品種は佐賀県とともに他の産地に比べて軟らかいとの評価でした。甘さでは淡路産3品種は佐賀県、チリ産とともに他の産地に比べて甘いとの評価でした。美味しさの評価では淡路産3品種は佐賀県産とともに他の産地に比べて評価点が高かったです。中でも淡路産(もみじ3号)は甘さが強く、美味しさの評価も高かったです。(図3)
  2. 10月のタマネギ
    供試した5サンプルを比較した結果、淡路産2品種は重さでは米国産に比べれば小さいもののその他の産地とほぼ同程度の重さであり、球形は米国産を除く他産地産とほぼ同程度の球形でした。(図4)
    淡路産の乾物率は米国産に比べれば低いのですが中国産よりも若干高かった。淡路産2品種の灰分(ミネラル)含量は北海道、米国産よりは少し少なかったです。
    淡路産2品種は中国産とともに比較的還元糖含量の高いグループに属していました。ショ糖含量は淡路産(もみじ3号)と北海道産が高かったです。全糖含量は淡路2品種が他産地に比べて高かったです。ショ糖割合は米国産が高いが、淡路産(もみじ3号)も比較的高い値でした(図4,5)
    ソテーでの官能評価(加工適性において、外観では淡路産(ターザン)に比べ)て淡路産(もみじ3号)、北海道産が高い評価でした。硬さでは淡路産2品種は中国産とともに他の産地に比べて甘いとの評価でした。美味しさの評価では淡路産2品種は中国産とともに他の産地に比べて評価点が高かったです。中でも淡路産(もみじ3号)は硬さは軟らかく、甘さが強く、その上美味しさの評価も高かったです(図6)

  3. まとめ
    淡路産タマネギは糖分、軟らかさ等の加工適性に関係する品質特性は概ね他産地のものよりも優れていました。その中でも淡路産もみじ3号は優れており、6月の佐賀県産並びに10月の中国産タマネギは比較的淡路産に近い品質特性を示しました。