玉ねぎの原産地ははっきりと分かっていないがインド北西部から中央アジア南西部といわれている。4千年も前の古代エジプトでは、ビラミット建設時に労働者のエネルギー源としてタマネギが大活躍していたとか。
玉ねぎは意外にもユリ科の越年草である。玉ねぎの花は通称“ネギボウズ"と呼ばれ1mほどの茎の先に小さい花が球のようにたくさん集まって咲く。切り花にされるアリウム、ギガンテウムは玉ねぎの仲間である。
どこの家庭の台所にも必ず玉ねぎがあるように、生のまま長期保存出来るのでストック野菜として重宝する。ちなみに日本人が最も玉ねぎを使う料理はカレーライス。1人あたりの年間消費量は10キロにもなる。
玉ねぎ特有の辛味は二硫化プロピルアリルと硫化アリルを含むネギ油と呼ばれる物質である。包丁などで切られるとこの物質が空気中に飛散し、目を刺激して涙を出させる。又、逆利用して枕元に置けば不眠症解決に。
其の1 催涙物質が水溶性の成分のため水で濡らしてから切る。
其の2 水中めがねをかけて目への刺激を防ぎつつ刻む。
其の3、良く研いだ切れる包丁でバシッと切る。
淡路産の玉ねぎはご存じの通り糖度が高く香りも優れており、玉ねぎ特有の辛味も比較的少なく、繊維も柔らかくて本当に、本当においしい!。ところで、なんでそんなにおいしいの?。すばり、お答えします!。
- 北海道産などと違って秋に植えて初夏に収穫するため長い間肥沃な土地に成育し養分の蓄積が多い。
- 冬の寒さに当るため味が良くなる。
- 温暖な三原町の気候が玉ねぎの成育に適している。
イタリア映画にはつるした玉ねぎのある台所がよく出てくるが、玉ねぎの保存は風通しのよいところにつるしておくのが一番。間違っても腐っているものと一緒に置かないように。
栄著素にビタミンやカルシュウム、鉄といったミネラル類を豊富に含んでいるため、食欲を増進し疲れをとり体調を整えてくれる。又、血行を良くし身体を温める作用があるのでカゼをひきやすい人はぜひ常用に。
関東では普通、すき焼きにはねぎを入れるけど淡路では玉ねぎが常識。また、アジやイワシなど青魚と玉ねぎを一緒に煮込むのも淡路ならでは。魚の臭いを消すとともに玉ねぎをたっぷり食べられてうれしい限り。
「もみじ3号」という地元産品種の糖度は8。これはトマトと比べると約2倍強の糖度である。更に加熱すれば涙を出さす辛味成分が甘いプロヒルメルカプタンに変化して砂糖の50倍の甘さになるというからびっくり。
淡路玉ねぎは、100年以上の歴史を持ち、特性は引き継がれています。淡路の玉ねぎ農家には、京やさい作りに似たような愛着と思い入れがあります。
兵庫県南あわじ市八木地区にある兵庫県立淡路ファームパークの奥地に建つ玉ねぎの塔。石碑には「栄光玉葱の里」と彫り込まれ淡路の玉ねぎの由来について記されている。
淡路玉ねぎは、力仕事でたいへんと言われるほど手間がかかります。産地も高齢化が進みつつあり、労力不足で作付けが減る傾向にあります。そこで、産地の救世主として開発された、玉ねぎ収穫機は、淡路で産声を上げ急速に普及しつつあります。淡路産地の傑作の一つです。
昭和40年代には、べと病、昭和50年代には灰色腐敗病などが産地を脅かしましたが、防除推進協議会を結成し、力を合わせて克服してきました。現在は、病気予察の充実と臨機防除技術の確立などで減農薬化に取り組んでいます。
玉ねぎの一番外側にある茶色の皮で、玉ねぎ染めが楽しめ、黄ばんだエプロンも、オレンジ色によみがえります。イランやインドのサラサ(更紗)の黄金色や褐色は玉ねぎで染めたものだとか。